ふたご新聞2000冬・創刊号('00年1月7日発行) 


アンケート特集

お ふ ろ    

かわいい赤ちゃんのお世話。1人と2人じゃ大違い!!
人手があれば問題ないけど、核家族で、頼みのパパも帰りが遅い…
さあ、どうしましょう!!---会員のみなさんに秘策を伺いました。
以下、そのアンケート結果から抜粋です。

 最初のうちは1人づつベビーバスでていねいにできました。つかまり立ちの始まった6〜7ヶ月、起きている時間が増えて、交互に寝ている間にできなくなり、とうとう一緒に入ることにしました。両手に1人づつかかえて湯船につかり、洗い場では腹這いのまま洗えるところをてきとうに洗いシャワーをかけて、まるで洗車のよう。出るときは自分はバスローブ(たまたま景品でもらった。すごく便利でした)をはおり、また2人一緒にかかえて、予め座布団に広げておいたバスタオルまで大急ぎで(重いから)運び、くるみます。自分の洗髪が後回しなので、そのほうがつらかったです。
 今では「ママだめ」と2人きりで入ることもあります。ただし、あたたまる程度です。    [女の子×2 3歳10ヶ月]
 本当に小さい時は、泣いてでも1人づつ入れてあげて、洋服を着せて、またもう1人という具合にしてた。首が座る頃にはバチャバチャシートを浮かべ、そこに1人、もう1人はその間に洗ってた。  [男の子×2 3歳]
〈過去〉
生まれてから半年位まで、ベビーバスに入れてました。後半は重さで手が震えていましたが…。その後、座れる様になって、家族風呂に1人入れている間、ドアを開けて洗面所に待たせて、洋服を着せて又1人、というやりかた。
〈いま〉
立てるようになってからは、3人(注:お兄ちゃん含む)バスタブのふちにつかまらせて、流れ作業で洗っては中に、というようにやっている。主人がいる時は、出てからの作業−−体を拭いて、おむつ、パジャマは未だにパパの役目。今思い出しても、3人並べてやり始めた頃は、時期的にもパパが忘年会等で連日帰りが遅く、寒いしで、私は体を拭くのも後回しで、悲惨な状態でした。    [男の子×2 3歳10ヶ月]
 生後1ヶ月まではベビーバスで交互に昼間入れていました。それから、大人と同じに大きいお風呂で、この方が気持ち良さそうでした。主人の帰りを待って、主人が入れる人、私受け取る人、でした。   [男+女 2歳6ヶ月]
〈ねんねの頃〉
着替えをセッティングしておき、2人とも寝ているときに自分が入浴してから一人づつ入れていました。
※入浴後、すぐバスタオルでくるめるように、お風呂のふたの上にタオルをたたんでおき、入れ終ったらお風呂のふたをしてその上にタオルをひろげて、子どもをくるんでセッティング場所に連れていきます。
〈あんよの頃〉
2人とも一緒に入浴しています。着替え、バスタオルを洗面所におき、入れ終わったらお風呂のふたをして、その上にバスタオルを1枚づつ1/2にたたんだものを敷き、2人とも寝かせて、着替えまでしています。
※入浴後のお茶は、床に広げた着替えの上に寝かせたままのませていました。
[男の子×2 2歳4ヶ月]
 基本はパパが入れますが、いない時、つかまり立ちが出来ない頃は、どちらかが寝ている間に入れました。つかまり立ちができてからは、お風呂につかまらせて3人で入りました。体、頭を洗う時は、お風呂に置く子供用のイスに一人を座らせて順番に洗いました。 [女の子×2 3歳10ヶ月]
 小さくて軽いときには蓋を半分したままで、その上にバスタオルを敷いて1人乗せておいて、ということもありました。たいていは、風呂場の前に寝かせて(ころがして)待たしておいて、終わった子から部屋に準備しておいたきがえ(下着だけでも)をパパッと着せて次の子、という感じだったようなキオクがあります。
[男+女 3歳6ヶ月]
 よく寝る時は、片方だけ寝ている時に片方づつ。かなり大きくなると台所のシンクをベビーバスがわりにして入れてしまったりもした。首がすわったら、ベビー用の入浴椅子(たまたま2ヶ手に入ったのでラッキー)に無理矢理座らせてしまった。結局なかなか寝ないしベビー用の椅子にも座れないときは、片方が大泣きしてもそのまま、一方づつ入れて、風呂上がりにオッパイをあげて泣きやました気がします。  [女の子×2 3歳2ヶ月]
 上の子供が4歳の時に双子が生まれて、お父さんは入院中であてにできなかったので、1歳までは台所でベビーバスに入れていました。1人が昼寝中に1人を入れ、と交互に入れていました。うちの双子はとにかく起きていれば泣いてばかりで待つということができなかったので、この方法でなんとか切り抜けました。  [男の子×2 3歳10ヶ月]


先輩ふたごママ いんたびゅう

空井智子先生の巻

空井先生のプロフィール:東京女子大学心理学科卒(発達心理)臨床心理士として、育児その他の心理相談に携わっておられます。娘さんは一卵性の双子ちゃん…といってももうお2人共それぞれ3人ものお子さんのおられる先輩ママです。

ふだんは私たちの育児について聞いていただく一方なので、今日はあらためて先生ご自身の子育てについてお聞きしたいと思います。いつも的確かつ暖かいご助言をくださる先生にも、新米ママ時代がおありです。(赤文字部分が先生のお話)

双子とわかったのはいつですか。
 
7ヶ月か8ヶ月位のときです。


どのような出産でしたか。
 
36週で破水したので即入院しました。9日目に、2470gと2510gで無事生まれました。


破水していると感染症が心配されますが。
 はい。子どもは無事でしたが、母体の方は出血多量で臨死体験もしてしまいました。


文字通り、命がけの出産でしたね。
 そういうスタートでしたから、その後、ミルクの飲みだの、体の大きさだのなんて全然気になりませんでした。


苦労されましたね。では、退院して、普通に育てられるようになったのは。
 1ヶ月半ほどで退院しましたが、3ヶ月位までは病院でお世話になっていた付添婦の方に家にも来ていただいておまかせしてました。それから後は、義母の世話にもなったし、主人も夜の授乳やオムツなど、交代でずいぶん手伝ってくれました。


その頃のお悩みは、何だったでしょう。
 仕事を離れたので、取り残され不安がありました。ほんの少しでも時間が空けば翻訳を少しづつやったり、ミシンで2人の服を作ったり‥そういう自分の充足のための時間を持つようにしてました。


2歳過ぎると反抗期で悩む方が多いのですが。
 それが、私の場合あまり反抗に悩まされた記憶がないんです。仕事がら、2人の様子を観察することに気が行っているので、反抗やぐずりをどうにかしたいという気がまるでなかったんでしょうね。ご飯を食べるのがうまくいかないなんて時は、食べる場所を変えて全員それにつきあったりとかはしてましたね。すごく泣かれたりしても、発散になるしそのまま放っておくことが多かったです。


幼稚園はどうなさいましたか。
 一年保育です。遊び相手はいるし、というのと、やはり観察のため手元に置きたかったのとで。


すごく時間がとびますが、育児の山場としては思春期がありますね。
 このときはすごく大変でした。ふつう思春期の反抗というと中学生ですけど、うちは高校になってから。大きくなってる分、凄まじいものでした。双子ということで個の確立が遅かったためと思っています。


といいますと…?
 例えば、叱られたとき、2人一緒という心強さがあり、かばいあったりもできますね。普通の子どもより、自分自身を見つめていく機会が得にくいのです。


扱い方がむずかしくなりそうですね。
 公平とか平等とは何かを考えないといけないですね。なわとびを、1人はすぐできてもう1人はうんと頑張ってやっとできた、とします。親としては、後者の方を「よくがんばった」とほめたくなります。でも双子にとっては、それは平等じゃないんです。本人達にしてみれば、相手よりよくできた方もよりいっそう誉められたいものです。それをわかってあげないと。


年の離れたきょうだいの扱いとの違う点はそこにありますか。
 「まだ小さいからおにいさん、おねえさんと同じにできないね」というのが通じませんからね。「個人差」をしっかり認めないとどうにもならない。


「2人ともよく頑張ったね」では、全然見てもらえてないような…
 そうです。受験で、1人が受かり1人が落ちた時がありました。家中すごく複雑な空気(笑)……そういう事件は小学校のうちから大なり小なり色々起こります。


自分の時間をつくってミシンを踏むなど。
 そうそう、そういうことが、自分にも子どもにも大切なことです。四六時中TおかあさんといっしょUというのはいつまでも心地よいものではありません。「いざというときはいつもそこにいる」という安心感を与えられ、なおかつ母親が自分の世界を持ってる‥というバランスがいいのでは。


では最後に、ほかのお母さん方に伝えたいことがありましたらお願いします。
 ほんの小さなうちから「個人差」を認め、一人一人の違いをよく見る習慣を持つようにしていってください。本人を目の前に「うちの双子が」とか、名前を間違えるとか、しないようにしてあげることもとても大切です。なにしろ「二人一緒」でなく、考え方も、感じ方もすべて別の「一人一人」ですので、そういった心がけが一生役立つものになるはずです。


今日はどうもありがとうございました。
ありがとうございました。


ふ た ご の 会 報 告

宮前保健所の呼びかけで毎月1回行われています。ごく最近の様子をご紹介します。

9月
「保母さんの手遊び、大きな大きな絵本」
「空井先生の育児相談」

 この回では、主に双子同士のケンカについて有意義な質疑応答が行われました。詳しい内容については、記録してありますのでお問い合わせください。
10月
「体操あそびと紙芝居」
 手書きのレールの上を汽車ポッポになって走り、マットの上ででんぐり返し、長〜いトンネルくぐりなど、赤ちゃんから大きい子までみんな大喜び。
11月
「保母さんの手遊び、パネルシアター」
「空井先生の育児相談
12月
「クリスマス」
人形劇、パネルシアター、模造紙のツリーにみんなで飾り付け、サンタさんからプレゼントと、もりだくさんの、ちょっと早めのクリスマスパーティーでした。