だからぁ、「ラテンな」って何ですかい?

これは、私(当フロア担当者)もあやふやなことだったので、まずは、日本国の偉大なデファクトスタンダードたるリファレンスディクショナリー、広辞苑(ただし第四版)で確認してみました。

ラテン【Latin・羅甸・拉丁】(もと「ラティウム」※の意)

(1)ラテン語(の)
(2)ラテン語系の人(の) 

−・アメリカ【〜America】ラテン語系すなわちスペイン・ポルトガル・フランス語系の住民・文化をもつ、中央アメリカ・南アメリカ諸国の総称。
−・おんがく【〜音楽】西インド諸島を含むラテンアメリカ諸国の民族音楽の総称。一般に、明快なリズム感を特色とする。タンゴ・サンバ・ルンバ・マンボなど。ラテンアメリカ音楽。中南米音楽。
−・ご【〜語】ギリシア語と共に欧米諸国の学芸にもっとも関係深い言語。インド-ヨーロッパ語族のイタリック語派に属し、もとラティウムの方言であったが、この地を根拠として興った古代イタリア人がローマを中心として覇を称えるに至って、イタリア全土・ローマ世界に伝搬、ローマ帝国の共通語となった。今日では死語であるが、なお20世紀初頭までカトリック教会の公用語であり、また、中世以来学術語として使用される。アウグストゥス帝ごろの文語を古典ラテン語と呼び、2〜6世紀の民衆の話し言葉を俗ラテン語と呼ぶ。
−・ていこく【〜帝国】1204年ヴェネツィアの艦隊に乗った第4回十字軍が東ローマ帝国の首都コンスタンチノープルを占領して建てた国。フランドル伯ボードワンを初代皇帝とした。61年滅亡。
−・ほうじん【〜方陣】[数学]1からnまでの数が、各行各列のどれにも現れるようように正方形状に並べたもの。これをn次のラテン方陣という。
−・みんぞく【〜民族】ラテン系の言語を話す諸民族誤称
−・もじ【〜文字】「ローマ字」の項、参照。
−・リズム【〜rhythm】ラテン音楽に共通するアフリカ系リズム。

(以上、広辞苑第四版より適宜抜粋)

※ちなみに:ラティウム【Latiumu】イタリア半島中部の西岸テヴェレ川流域、アペニン山脈とティレニア海との間にある広い平野。ローマ史初期の舞台となった地。イタリア語名ラチオ。

いやぁ、私はもともとラテン音楽が好きなことからから「ラテン」にはいりこんだ人間なんですが…「ラテン」が古代ローマ帝国やらイタリアの地方名やらから始まっていたり、十字軍がからんで帝国の名前になっていたり、さらには1-nの行列の数学概念まで包括した用語だとは知りませんでした(おまけに、ラテン民族というコトバは「誤称」なのか!)。広辞苑で調べてみたものの、なんか、余計に「ラテンな」がわかりにくくなった気もします。


当フロアでの「ラテンな」の定義

広辞苑的一般論では、どういうことが「ラテンな」なのかが理解しにくいので、ここでは、ここだけの勝手な解釈を織り込んで、以下の3項目を満たすことが「ラテンな」ことであると決めてしまいます。勝手なようですが、ここでは私がそう決めたらそう決まります。ちなみに、この取り決めは、CUBAの人の「やり方」に敬意を払い、その人生哲学(?)にあこがれを持って、定義としています。(なぜCUBAなのか、についてはここで後述

項目1:熱いこと
CUBAはカリブ海だし、北緯20度そこそこの赤道ほぼ直下だし、ずいぶん熱帯的に暑い。しかもそこに住んでる人が、また熱い。道をたずねれば、その途中で聞きもしないレストランの評判まで教えてくれる。肝心の道を知らなくても“知らないと答えたらこの日本人は困るだろう”と配慮して、当てずっぽうで親切丁寧かつ熱心に教えてくれたりもする(結局、その方が、こちらは困ったりするんだけど…)。もちろん、スポーツにも熱いし、音楽にも熱いし、酒(ラム酒)を飲むことにも熱い。人生を楽しむこと、いや、生きることそのものにかけて全般に熱い。つまり、熱いことは「ラテンな」ことである。

項目2:前向きなこと
いくら不況だ不景気だと言ったって、公然と経済封鎖をされているCUBAの人の生活に比べたら、日本は、まだぜんぜん暮らしのラクな国なはずだ。それだけ、CUBAの人は難儀している(と、まだ言い切ってもいいと思う)。だって、日本でガソリンが手に入らなくて困ってる人はいない。政府が電気を回してくれなくて毎晩ローソクが必要な人は日本にはそういない。ビデオが壊れても買い換えられなくて、ヘッド部品を拾ってきて自分で修理してなんとか使っている人なんか日本にいない。
そんな暮らしぶりでもCUBAの人はごくごく前向きにやっている。辛そうな顔なんかしないで、歌をうたって、踊って、明日は今日よりもっとよくなると考えている(そして多分その実現のための努力もしてる)。前向きで、明るい。そう、楽天的ってこと。ラクテンはラテンにもよく似てる。だから、前向きなことは「ラテンな」ことである。

項目3:おおざっぱなこと
小さいことは気にしない。とくに、時刻とか約束に関して、CUBAの人はおおざっぱだ。人だけじゃなくて、CUBAの世の中そのものがそうなっていて、観光バスが来る時間も、ライブハウスの開店時間もおおざっぱ(夜10時スタートのはずのライブが、いつの間にか午前1時スタートになって、挙げ句の果てにライブ中止になったりもする)。その“おおざっぱ分”を差し引いて理解しておかないと、こせこせした日本人だと小さな腹を立てたりすることになる。そんなことで腹を立てていても仕方ない。大きく構えりゃストレスもない。ということで、おおざっぱなことも「ラテンな」ことである。



たとえば、こんなことが「ラテンな」ことかなと考えてみる

 と、まあ、いい加減で、少々気恥ずかしいこともあったりしますが、そんなことかななどと考えます。


ってなことで…

とりあえずこのページにおいては、ラテンなこと≒CUBAなこと、ということになっています。なぜかというと、私の気持ちがここ十年ばかりソッチへ向いているからです。'00年に流行した、あの『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の影響なんかぢゃないですよ(と、とりあえず言っておこう)。 もちろん世間一般の定義「ラテン=CUBA」ではありません。ですが、ここはもう強引且つただ曖昧に「CUBAが中心」ということでフロア構成しちゃってます。何故どうしてCUBAなんだ? とか、この小咄のどこがCUBAと関係あるんだ? とか、あるいは、このコンテンツはいつ更新されるんだ? などと細かいことは言わないで、おおざっぱな気持ちでご覧くださいくださいませ。

  


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