Q1:ホット・ペイントは、どうして発熱できるのか?

A1:電熱器に使われるニクロム線と同じ原理で発熱します。家庭用など一般塗料に使われている樹脂ワニスを原料として、この樹脂に電気が通じるように工夫をしました。(白川博士のノーベル賞受賞で、導電性ポリマーのポリアセチレン樹脂が話題になりましたが、まあ、あれと似たような感じです。白川博士の導電性ポリマーはペイントの材料にすることはできないものですが...)この中に、ニクロム線に使われる金属の粉末を分散させることで、ホット・ペイントが作られるわけです。


Q2:ホット・ペイントで、なぜ電力の「増幅」ができるのか?

A2:理由として、まずホット・ペイントの高い熱エネルギー変換効率があげられます。ニクロム線のような形状の発熱体と異なり、ホット・ペイントは塗布面全体で発熱するため、同じ通電量でより多くの発熱を得ることができます。さらにホット・ペイントにはニクロム線と同じ金属粉末の他に、強誘電体・誘電体が添加されています。通電によって金属自身が発する抵抗発熱以外に、誘電体の誘電加熱作用による熱エネルギーが加わるため、抵抗発熱の理想異体発熱量860kcal/kwよりも、120%増しの熱量が得られることが確認されています
 一方、発電のプロセスにおいても、たとえば化石燃料を用いる火力発電所では、燃料から発生した熱で水を外部から加熱しており、そのタービン効率は37%〜42%程度です。一方、ホット・ペイントを適用した機構では、発熱板を水中に沈めて加熱源とするため、そのタービン効率は52%〜57%位になることが実験結果から推定されています(←主節文中でふれた通りです)。
 「より少ない元エネルギーから、より効率よくタービンを回転させ、より大容量の電力エネルギーを得る」これがホット・ペイントを用いたCC太陽発電で、電力の「増幅」ができると考案するゆえんです。


Q3:環境問題解決における「CC太陽光発電」のメリットとは?

A3:地球温暖効果ガスを排出しない自然エネルギー利用発電の源力としては、風力、太陽光、地熱、波力、潮力、海水の温度差、水力などさまざまなものが考えられますが、実用化のレベルに近づいているのは、古くから実施されている水力発電のほか、地熱発電、風力発電、太陽光発電くらいだけです。さらに、このなかでも、自然エネルギーとしてどこででも発電に利用できるのは太陽光発電だけです(他の3方法は利用地域=発電所設置地域が著しく制約されますので)。主節本文でもふれた通り、現行の太陽光発電では十分なエネルギー量を供給することができ得ていません(せいぜい特定の小口需要者に電力供給するだけになってしまうでしょう)が、より大容量の発電が可能なCC太陽光発電所の建設をすすめれば、世の中への普及も早く行え、地球温暖化問題およびエネルギー供給問題の早期解決を図ることができるものと考えられます。